2型コラーゲン異常症関連疾患について

あまり一般的な疾患名ではなく、初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。

2型コラーゲン異常症とは、軟骨、目の硝子体、内耳などで大事な2型コラーゲンの異常を原因とする骨の病気の総称です。

2型コラーゲン異常症関連疾患とは?

この疾患の特徴に、以下のような点が挙げられます。

  • 多くは、2型コラーゲン(COL2A1)遺伝子変異により発症。
  • X線(レントゲン)で共通した所見がある多彩な症状を示す一連の骨系統疾患群(分類を後述)。
  • 背骨・手足の骨の異常や平坦な顔貌、小顎症が特徴。
  • 目の異常、難聴、口蓋裂をしばしば合併。
  • 胎児期や出生直後に死亡する重症例から、小児期以降に診断される比較的軽症例まで幅広い症状。
  • 常染色体優性遺伝、または、新生突然変異で発症。
  • 患者数は全国で1500人と推定(厳密には不明確)。

2型コラーゲン異常症関連疾患の分類

  • 先天性脊椎骨端異形成症(SEDC)
  • Stickler(スティックラー)症候群1型
  • Kniest(ニースト)骨異形成症
  • 扁平椎異形成症、Torrance(トレンス)型
  • 軟骨無発生症2型―Langer-Saldino(ランガーサルデノ)型
  • 軟骨低発生症
  • 著しい骨幹端変化を伴う脊椎骨端異形成症(SEMD)
  • 脊椎抹消異形成症
  • 大腿骨近位骨端異形成症
  • 中足骨短縮を伴う脊椎骨端異形成症ー以前のCzech(チェコ)異形成症

(正常身長と早発性関節症を伴う表現型と重複しているため、多発性骨端異形成症も参照)

※骨系統疾患国際分類(2019)和訳(令和2年度 日本整形外科学会小児整形外科委員会 骨系統疾患和訳ワーキンググループ)より引用して追記。

2型コラーゲン異常症関連疾患の症状

※症状は疾患・重症度によって個人差があり、全てを合併しているわけではありません。

正面画像
側面画像

治療法や予後

  • 疾患特異的な治療法は確立されていない。
  • 重症例では呼吸管理が必要である。
  • 対症療法に加えて、近視や難聴への早期対応が必要である。
  • 小顎症による歯科矯正治療、口蓋裂や網膜剝離に対する治療も必要な場合がある。
  • 変形性関節症や脊柱側弯、頚椎亜脱臼などに対して、整形外科的手術が行われる。
  • 場合によっては歩行障害があり、日常生活が制限される。
  • 失明や難聴のリスクが高い。
  • 新生児~成人期の長期にわたって経過観察、治療、療養が必要である。

こちらも合わせてご覧ください

遺伝性疾患プラス「2型コラーゲン異常症 」(外部サイトへ)

https://genetics.qlife.jp/diseases/type2-collagenopathy